「とある国」の不思議な「玉入れ」の話

あなたは知っていますか?
「とある国」では、こんな不思議な文化があります。

信じられないと思いますか?
ぜひ最後まで読んでみてください。

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この国では今日も、ほとんどの中学校や高校では「玉入れ」の練習が行われています。
生徒や先生は朝早く学校に来て、授業が始まるまで玉入れの練習です。
授業が終わって、夕方過ぎて暗くなっても玉入れです。
土日も玉入れの練習に、学校に来ます。お弁当を持って一日中玉入れをする学校もあります。
なぜ、玉入れの練習をこんなにするのでしょう。

生徒にとって、玉入れをすることにはメリットがたくさんあります。
・先生や先輩に対する礼儀が学べます
・リーダーシップを発揮する機会に恵まれます
・体を動かすことで健康維持になります
・1つの目的に向けて取り組む経験ができます
・社会性を養うことができます
・勉強が苦手でも、玉入れが得意な生徒は学校へ通うモチベーションにつながります

このように、普段の学校生活では学ぶことのできない素晴らしい経験ができます。

またこの国では、学校対抗全国玉入れ大会というものがあります。それを目指して、勝利することが何よりの喜びです。
この玉入れ大会で優秀な成績を収めると、進学等に有利に働くこともあります。この国の高校や大学では、玉入れ推薦なんて入学者枠も存在します。

基本的に生徒は玉入れで勝つために必死です。
中には体罰等、行き過ぎた過激な指導を行う先生もいます。しかし大会で良い成績を収めれば、名コーチなどと称され、負の面が矮小化される傾向もあります。
そんな厳しすぎる指導があったとしても、勝つためには仕方のないことだと、ほとんどの生徒は耐え抜こうとします。
厳しい指導に耐える、これが勝つためには必要なのだという間違った価値感を植え付けられることにもつながります。

玉入れは生徒の「自主的、自発的な活動である」とこの国の学習指導要領に明記されています。しかし地域によっては、生徒に玉入れの練習を強制する学校もあります。
生徒の自主性を無視して強制的に玉入れの活動をさせることは、すなわち放課後の生徒の自由な時間を取り上げていることになります。

また驚くべきことに、玉入れの練習は週に7日行うところも少なくありません。
半数以上の中学校・高校では、週に6日以上玉入れの練習を行なっているという調査結果もあります。
こんな状況の中で、生徒は勉強にも励みます。
暗くなって玉入れの練習が終わったら、今度は塾に行って夜遅くまで勉強する生徒も少なくありません。もちろん次の日の朝も、玉入れの練習です。
いったい、いつ自分の時間が作れるのでしょう。

また玉入れの試合は、平日に行われることもあります。引率も先生が行います。その日、玉入れの試合に参加しない生徒は、その先生に教わるはずだった授業は受けられず、自習になることもあります。どうして教育課程外の活動によって、教育課程内の授業が犠牲になるのでしょう。

…ところで、先生の目線ではどうでしょう。

また、ほとんどの学校では玉入れの指導は、教員全員で行うことになっています。なぜなら玉入れの指導は、ものすごく大変な仕事だからです。数人の教員だけでは到底回せるものではありません。なので教員全員でその負担を分かち合おうと、多くの学校では教員全員で玉入れの指導を行うことになっています。
もちろん、先生は玉入れの指導のために先生になったわけではありません。教員免許を取得する上で「玉入れの指導法」を大学で学ぶことはありません。しかし当たり前の業務のように、玉入れの指導をする風潮があります。

しかし玉入れが大好きで、玉入れによって成長する生徒はもちろんたくさんいます。そしてその者の中から、玉入れの指導がしたくて教員になる者も一定数います。
玉入れ指導でいい成績に導いた先生が、学校の中で評価されているという一面もあります。これによって生徒だけでなく、先生も玉入れ指導に必死です。
体罰を受けて成功した経験がある先生なら、時には体罰は指導に必要だと考えてしまうかもしれません。

さて、ご存知でしょうか。
先生の仕事は、そもそも玉入れ指導が無かったとしても、勤務時間内に収まることが難しい程に莫大な量の仕事があるのです。
授業の準備、クラスの経営、テスト作りと採点、成績の処理、書類作成やアンケート集計などの事務的な作業、委員会や行事の計画、学校内外の研修などなど…
しかし実際は、勤務時間を過ぎても玉入れの指導です。本来するべきこれらの業務は、勤務時間が過ぎ、生徒が帰り、はじめてやっととりかかれるのです。
時間外業務が80時間を超えると、過労死のリスクが高まるという統計が出ているのですが、中学校教員の半数以上はその過労死ラインを越えています。
ちなみに平日、先生の残業代はゼロ円です。土日は玉入れ指導代として、4時間以上指導してはじめて高校生のバイト代程度、多くはそれ以下の賃金が支払われます。4時間以下ならこれもゼロ円です。

先生の中には、休みなく働くこの生活が心身の負担に思う者も出てきます。
しかし、あるベテラン先生はこのように言います。
「玉入れの指導がつらい?我々だって若い時は、同じ道を通って来たんだよ。そうやって一人前になっていくんだ。」
ネットの書き込みでよく目にする、こんなコメントがあります。
「玉入れの指導が嫌なら、教員を辞めればいい。玉入れの指導があることは予めわかってて教員になったんだろう。」

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さて実際のところ生徒と先生の本音は、それほどまでに休みなく活動をしたいのでしょうか。
しかしよく聞く声としては、
生徒は「先生がやりたがるから」
先生は「生徒がやりたがるから」というものです。

ある県の中学校と高校において、理想的な活動日数と実際の活動日数の比較をした、興味深いアンケート結果があります。(※1)
中高ともに、半数以上の生徒と先生が週に5日以下の活動を希望しているのにもかかわらず、半数以上の生徒と先生は週に6日以上活動しているのです。

お互いに「やりたがるから」という勘違いによって、お互いの首を絞めあっている構造があるようです。

とはいえ今日も、数多くのデメリットには目をつぶりながら、全国各地の学校では玉入れの練習が行われています。明日も明後日も、今週末も来週末も行われるでしょう。

それだけ玉入れは楽しくて、素晴らしいものだから。

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ここまで読んだ方は、もうお気づきでしょう。
この「とある国」とは「日本」です。
最近話題になっている、いわゆる部活動問題。
「部活」を「玉入れ」に読み替えて、とある国という第三者視点でまとめてみました。

日本の部活動。

改めて考えてみると、本当に不思議な文化だと思えてきませんか?

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ここまでの同文のツイートをしています。
Twitterからこのサイトに飛んだ方もいらっしゃるかも知れません。
このページの下部は、匿名でコメントできるようになっています。
あなたが部活動に関して経験したこと、教えていただけますか?
良い面でも悪い面でも構いません。関心の輪を広げていけたらと思っています。

※1 部活動 先生も生徒も 本音は「休みたい」――「みんなやりたいと思っている」勘違い
https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20141230-00041907/

SORA Written by:


6 Comments

  1. 匿名
    2017年12月07日

    意味がわからない。おかしいとしか言えない。国は何をしているのか。日本の教育はいつか爆発して壊れてしまう。

  2. 匿名
    2017年12月08日

    これ、英語版作って広めましょう!

  3. トム
    2017年12月09日

    素晴らしい例えです!

  4. SORA
    2017年12月10日

    おかしいのにおかしいと気づけない、気づいても「そういうもんだから仕方ない」って諦めてしまう現場の声も聞きます。
    このままでは本当に壊れてしまいます…。
    壊れていく人が止まりません…

  5. SORA
    2017年12月10日

    英語版ですね……今度時間があるときに書いてみます…!
    英語で言うところの、つまり世界共通な「玉入れ」ポジションの競技や遊びってなんでしょうね…?

  6. SORA
    2017年12月10日

    トムさん、ありがとうございます…!

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